楽器の演奏について

 

毎度の事ですがごぶさたです。

 

ニューオリンズの途中から更新できてませんでした。
意外とやることがなかったニューオリンズですが、最後に個人的には面白いというか改めて感じ入るようなことがありました。

 

なんでニューオリンズであんまりやることがなかったかというと、基本的には、

 

 

お目当てにしていた「音楽」があんまりたいしたことなかった

 

 

というのが理由でした。
「ニューオリンズのストリートミュージシャンは相当すごいらしい」という話というかイメージというか、が自分の中で長年欠けて勝手に膨らみきっていたからなんだと思います。

 

現代のクルマや飛行機でいくらでも簡単に安く移動できて、アメリカや世界中の情報が共有されてたら、いいミュージシャンならふつう、ニューヨークを目指すでしょうな・・・ ということが考えられないくらいに妄想してたんですね。
ふつうに考えたらすぐわかりそうなことですが、10代から憧れ続けた世界なので、そのへんはまったく見えてませんでした。

なので、今までもちょこちょこ書いてますが、今回廻ったアメリカの音楽ルーツ都市3つについては、基本的にはどこもじぶんが憧れたその世界はもうなくなっていて、観光資源としてのレプリカとなった「サービス」としての音楽があるだけになってしまっていました。あこがれのトーキョーに行ったけどサムライがいなくてガカリシタヨ・・・みたいな話です。当たり前。
まあ、それでも自分の場合はもうなくなってしまったとはいえ、かつての史跡を巡っているだけで充分楽しかったので、結果として行って良かった度は100%です。

 

 

で、ニューオリンズでは最後にジャズクラブSnug Harbor(前回の記事で写真貼ったやつ)に行ったんですが、ここではモロ観光客向けの演奏ということではなくて、バンドが作曲した現在進行形のジャズ(モダンジャズ)を観ました。そしてこのバンドの演奏がすごく良かった。そこでハっとしたというか、思ったんですが

 

サービス音楽でやっている演奏と、そうでない、本気というか自分のためにやっている感じというか、そういう音楽では「楽器の鳴り」がぜんっっぜん違っていました。曲が、フレーズが、よりもっと細かく刻んで、瞬間ごとに出ている「音」そのものが断然いいんです。気持ちがいい音がする。

 

-本気の人たちのほうがいい楽器を使ってる
-本気の人たちが演奏する場所は音響がいい
-本気の人たちを観てるというこちらの思い込みで余計に良く聴こえる

 

ってことも考えられなくはないけど、でもたぶんそういうことじゃないと思います。
楽器に対して「今日もいい感じで鳴ってくれよ〜??」っていうのか・・楽器と演奏者が対等というか・・・お客さんもだけど、その前に先ずは主役である、音を出してくれている楽器君たちにまず気持ちよくなってもらわないと、というような感じですかね?楽器の反応を逐一確認しながら演奏するような、そういう感じがしました。上手い人はよく「楽器と一体になってる」みたいな表現をされますけど、それもあるんだけど、一体になったからといって何も考えてないのではなくて、余計によく見ているような感じ。

ほんと良かったこのバンド。名前は忘れました

ほんと良かったこのバンド。名前は忘れました

 

この観たバンドは、ドラムとピアノとベースというかなりシンプルな構成だったので余計に、そしてヒップホップなどの今っぽい要素も分かった上でのモダンジャズだったということもあり、3人が音空間の余白の部分にもよーーく気を配っているのが伝わってきたし、その空白を最初に壊すというか、静寂を破るときの音にたいしての繊細なアプローチは見事だったと思います。

 

考えてみると、ニューヨークで観たロック系の人たちも、あとのほうにでてくるいいバンドは同じ感じがありました。

スペインで会ったブラジル人ボサノバ歌手のマリアナも、歌がメインなのに、声は当然だけどギターが本当にいい音がしました。

 

どのケースでも「ギターって/ドラムって etc こんないい音がするんだっけーー!」という気持ちになります。レコードを聴いただけでもそう思わせてしまうバンドはかなり限られるけど、生だとそれがもっと伝わりやすいんでしょうか。演奏している様が目でも見えるからなのか?わかんないですけど。

 

一方で、サービス的な演奏をしていた他のすべての店のバンドの場合、場数が多いせいか「楽器との一体感」はすごいです。でも一体化しすぎて楽器と向き合っている感じがしない。ほんとにその人の手脚になったようで、音もその人が喋っているのをきいているような感じ。プレイヤーの人となりがそのまんま出ているような感じです。もちろん彼らもプロなので当然演奏自体は完全にプロだけど、なんだかプロなのにその人のキャラクターが丸見えすぎて、等身大すぎて驚けない感じとでもいうか・・・うまく言えないなあ。とにかく、チップをくれるお客さんのことはよく見てるけど、相棒である楽器はもう自分のカラダの一部だからべつに気にしてない。そうすると楽器のほうもプレイヤーのカラダの一部なのであれば、独自の感性を持たずに淡々と人間に従うだけになる感じがするというか・・・

サービスバンドのほう。これもニューオリンズではかなり有名なお店らしいのですが、とはいえやっぱりバーボンストリートだから観光向けの音でした

サービスバンドのほう。これもニューオリンズではかなり有名なお店らしいのですが、とはいえやっぱりバーボンストリートだから観光向けの音でした

 

この違いは何なんだろうなあ・・演奏の目的やスタンスが違うからなのか、そういう「鳴り」を引き出せるスタンスと耳と技術を持っているから「そちら側」で食って行けているということなのか・・わかりません。

 

でも、自分に関して言えば、そういう鳴りが多少引き出せている時とそうでないときが両方あるなと思います。いい感じの時っていうのはなんか、集中もすごくできてるけど同時に冷静な目線も残っていて、「吐き出すだけ」みたいにならない、いい慎重さで音を出せるというか。とことん没入して無心になるのがいいような雰囲気がするけど、そういうことじゃないっぽいなということが今回は分かったというか、自分はそういうふうにやりたいみたいだということが明確になったのです。

これ、ぜんぶさかのぼれば6歳くらいから日常的に楽器に触れてる人生で、ずっとモヤモヤーっとあったことなんですよねえ・・「鳴る人と鳴らない人がいる」っていうことが。今回もべつにその理由がわかったわけではないですけど、そういう意識を常に持つようにということに気がつけたのは収穫でした。

 

ついでに今回のライブでは、子供の頃習っていたからか逆に積極的に興味を持ちきれなかったピアノ(および鍵盤楽器全般)が、これまたなんて面白い楽器なのよ!と思わせてくれるという革命(自分の中で)が起き、これもまた非常にほんとうに良かったです。なんだかんだでギターばかり弾いてたので、ルート音から重ねて行くコードに偏った聴き方になってましたが、回転コードや、ギターだとかなり弾きにくい1度2度が重なった和音、メロディーなのかコード進行なのか、どっちにもなるあの感じ。最高ですねえ。

 

 
以上、楽器をやらない人はおろか、やる人の中でさえ共通するものがあるかわからない独り言でした。

 

 

 

 

 

 

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